下界では暑い日が続くようになったのう。もうすぐ梅雨じゃな。我が汐碕市はまだまだ涼しいぞよ? 梅雨はないのじゃが、湿気は残念ながら一年を通して多めじゃ。雲の中にあることもおおいからのう、仕方のないことじゃな。

さて、今日はちょっと外の世界に目を向けてみるぞよ?
実は宙に浮いている島というのはこの汐碕市だけではないのじゃ。この地球上にはいくつかの浮いている島があるのじゃ。まだ未発見のもあるのではないかと言われておる。
じゃがほとんどがものすごく小さくて人が住めるようなものではないのじゃな。人が住んでおるような大きな浮島は現在確認されておるだけで三つしかないのじゃ。

どの浮島も未だに浮いている仕組みは謎じゃ。最近では「気圧の層説」というものも提唱されておる。実はどの浮島も同じ高度に浮いておるのじゃ! そしてそれを境に気圧の層ができておるのじゃ。浮島のあるところより上と下でくっきりと気圧が異なっておるのじゃな。浮島はこの層の境目に浮いていることが解っておる。
なぜ気圧がだんだんと薄くならずにくっきりと別れておるのかは不明じゃが、汐碕市が浮いているのと何か関係があるのではないかと言われておる。じゃが浮島が何らかの気圧の変化を起こしているのではないかと疑っておる科学者もおるようじゃ。
そこで科学者たちが疑っておるのが、絶対に晴れぬ雲じゃ。天気図とは無関係に漂い続ける台風のような雲の塊がいくつか観測されておる。あれらの雲も中心には汐碕市のような浮島があるのではないかと推測されておるのじゃ! この雲の名前を竜の……おっと執事が呼んでおる。今日の話はここまでじゃ。