2021年7月

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さて、天使の話の続きじゃ。
キリスト教の神は全宇宙的存在とされておる。つまり「天地を作られた」というのは何も我らが住む地球のことだけではなく、全宇宙のことを指しているというのが多くのキリスト者の共通の認識じゃ。となるとイエス・キリストの救いは地球だけのものではなく宇宙的なものなのかとか、色々な解釈が出てきておるのだが、完全な答えは出ておらぬ。が、多くのキリスト者は宇宙的な救いであろうと解釈しているようじゃ。
そもそも地球以外の知的生命体を認めないキリスト者も多い。

真実は我らにはまだ解らぬが、天使が地球上だけの存在か、宇宙的な存在かというのもまた議論されておる。現在の所ルシファーは地球規模の存在であろうと言われておるな。もちろん議論の余地はある。というのもルシファーは天使長だと解釈する向きもあっての、となると地球規模では収まらないことになるのじゃ。
というのも天使には地域レベル、地球レベル、星系レベルという力の範囲が観測されておる。
そしてさらに銀河レベル、全宇宙レベルが存在するのではないかと推察されているのじゃが、その真相を知るのは非常に難しいのじゃ。なぜなら地球レベルを超えた存在は、もはや我らには測定不可能じゃからじゃ。星系レベル・銀河レベルの天使がおったとして、それらの力がいかほどなのかは地球上では試せないからじゃ。試した途端に地球は破壊されてしまうからのう。
そこで天体観測にその力の源を見いだそうとしている者もおる。宇宙のどこかで、強大な天使の力が発揮された痕跡があるかもしれない……というわけじゃな。

現在、地球上で観測されておる天使のウチ、例の 5 名は概ね以下のレベルであろうと推測されておる。

さらに熾永は宇宙規模であろうとされておるが、果たしてわからぬ。ちなみに稲置涼子は地球規模じゃ。じゃから稲置が熾永を支配下に置いているのが如何に異常事態かが解るというものじゃ。さらに人類の目の上のたんこぶと称されて久しい「黒翼」という天使じゃが、こやつは熾永と同格とされておる。じゃがこやつは現在は魔術を通してでしか天使の力を行使することができぬ事が解っておる。とはいえ、妾も解読不能な超高等技術を持っていることは事実じゃ。そんなことが魔術でも可能なのかと驚かされる秘術を使う、まったく面倒な存在なのじゃ。

ただ、天使学のところでも述べたように、こやつらは我ら人間の敵には決してならぬ。彼らのせいで我らが滅ぶというようなことはないのじゃ。もし我らがこやつらのことを疎ましいと思うなら、それは我らの方が間違っているということになるのじゃ。黒翼のことを目の上のたんこぶと呼ぶのもつまりそういうことじゃな。我ら人間の欲望とその発展のためには邪魔に見えるということじゃな。

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