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さて、天使の話の続きじゃ。
キリスト教の神は全宇宙的存在とされておる。つまり「天地を作られた」というのは何も我らが住む地球のことだけではなく、全宇宙のことを指しているというのが多くのキリスト者の共通の認識じゃ。となるとイエス・キリストの救いは地球だけのものではなく宇宙的なものなのかとか、色々な解釈が出てきておるのだが、完全な答えは出ておらぬ。が、多くのキリスト者は宇宙的な救いであろうと解釈しているようじゃ。
そもそも地球以外の知的生命体を認めないキリスト者も多い。

真実は我らにはまだ解らぬが、天使が地球上だけの存在か、宇宙的な存在かというのもまた議論されておる。現在の所ルシファーは地球規模の存在であろうと言われておるな。もちろん議論の余地はある。というのもルシファーは天使長だと解釈する向きもあっての、となると地球規模では収まらないことになるのじゃ。
というのも天使には地域レベル、地球レベル、星系レベルという力の範囲が観測されておる。
そしてさらに銀河レベル、全宇宙レベルが存在するのではないかと推察されているのじゃが、その真相を知るのは非常に難しいのじゃ。なぜなら地球レベルを超えた存在は、もはや我らには測定不可能じゃからじゃ。星系レベル・銀河レベルの天使がおったとして、それらの力がいかほどなのかは地球上では試せないからじゃ。試した途端に地球は破壊されてしまうからのう。
そこで天体観測にその力の源を見いだそうとしている者もおる。宇宙のどこかで、強大な天使の力が発揮された痕跡があるかもしれない……というわけじゃな。

現在、地球上で観測されておる天使のウチ、例の 5 名は概ね以下のレベルであろうと推測されておる。

さらに熾永は宇宙規模であろうとされておるが、果たしてわからぬ。ちなみに稲置涼子は地球規模じゃ。じゃから稲置が熾永を支配下に置いているのが如何に異常事態かが解るというものじゃ。さらに人類の目の上のたんこぶと称されて久しい「黒翼」という天使じゃが、こやつは熾永と同格とされておる。じゃがこやつは現在は魔術を通してでしか天使の力を行使することができぬ事が解っておる。とはいえ、妾も解読不能な超高等技術を持っていることは事実じゃ。そんなことが魔術でも可能なのかと驚かされる秘術を使う、まったく面倒な存在なのじゃ。

ただ、天使学のところでも述べたように、こやつらは我ら人間の敵には決してならぬ。彼らのせいで我らが滅ぶというようなことはないのじゃ。もし我らがこやつらのことを疎ましいと思うなら、それは我らの方が間違っているということになるのじゃ。黒翼のことを目の上のたんこぶと呼ぶのもつまりそういうことじゃな。我ら人間の欲望とその発展のためには邪魔に見えるということじゃな。

キリスト教には天使学というものがある。
長き歴史に渡り、キリスト者が聖書を元に探求したものではあるが、啓示や幻から起こされたものや、実際に天使によって教えられたと主張する内容もある。

が、概ね、カソリック・プロテスタントに限らず、キリスト教全体でなんとなくコンセンサスがとられた内容というものは整理されつつある。

深いところには触れぬが、現代ファンタジーで知られている天使と、実際の聖書に出てくる天使との違いについて簡単に触れるのじゃ。

まず天使というのはフィクションでは強大な力を持っていたり、人間を凌駕したり、時には人間と対立した存在として描かれることがあるがそれらはすべて間違いじゃ。天使という名の通り神の使いではあるものの、実は天使は人間に仕える存在なのがポイントじゃ。むろん強大な力を有しておる者もいるが、それらは「神の意志」を実現するための力であり、人間と対立したり天変地異を起こしたりするためのものではないのじゃ。ちなみに「神の意志」はキリスト教では「御心」と言うことが多いぞよ。

あの有名なルシファーが堕天使となる云々も、被造物である人間に仕えなければならないという部分に躓いて離反したのではないかという説もあるくらいじゃ。この件は天使よりもあとから生まれてきた人間になぜ天使が仕えなければならぬのかという部分よりも、神が天使よりも人間を取り立てた(贔屓した)部分に憤慨して離反したと見る研究者もいるようじゃ。

というわけで天使たちは人間の力になりこそすれ、敵対する存在には決してならぬ。それはたとえ人間が神の意志(御心)に背いたとしてもじゃ。もちろん、背いた場合は天使は助けてはくれぬ。助けてはくれぬが、背いた人間に対して何か懲罰をくわえるというようなこともせんのじゃ。それは人間の自由意志というものが関係しておる。人間には自由意志が与えられておっての、神は人間たちが自主的に神の道に歩むことを望んでおられるのじゃ。そしてそれと対象的に天使には自由意志は与えられておらんことも知っておくと良いぞ。

もし人間が御心に背くたびに天使が懲罰を与えておったら、今頃人間は絶滅しておるじゃろうのう。

そして人間が御心に従うなら、天使は大いに力を貸してくれるのじゃ。それこそ山をも動かすほどの力を惜しみなく授けてくれるじゃろう。じゃが残念ながら人間の意思と神の意志が一致することはあまりないようじゃ。それは歴史が示しておる。

最後に、現在キリスト教でコンセンサスがとれている天使の大きな特徴として、天使には男しかおらんということじゃ。はて、これはどういうことじゃろうのう?

あけましておめでとうじゃな。
松の内は過ぎてしまったが、皆、元気にしておるか?
妾は相変わらず元気じゃ。
汐碕市はもう一面の銀世界じゃ。気温もかなり低くてのう、外は -20 度近くにもなるのじゃ。それでも標高 6000m の中では暖かい方なのじゃ。

今日はじゃな、面白いものを手に入れたので公開するぞ。それは朝日奈やすらの給与明細じゃ。まず朝日奈やすらの立場から説明するとするかのう。
彼奴は立場上は国家公務員でな、いわゆる警察官じゃ。彼奴の場合はそこから先がさらに複雑でな、外国の捜査機関に出向ということになっておる。つまりじゃな、我が汐碕市にある朝日奈やすらのバイト先は、とある外国の出先機関というわけなのじゃ。
妾が排除したいと思っているのは、そういう理由だからじゃ。
とは言ってものう、日本政府がその国に要請してできた出先機関じゃから、妾もなかなか排除できぬのじゃ。この出先機関は汐碕市以外にも北海道と東京と京都にもあるのじゃ。
朝日奈やすらは警察庁警備局公安課所属じゃな。長野県警の公安課じゃないのがまた面倒なのじゃ。困ったことに汐碕市の権力が及ばぬのじゃ。

それはともかくじゃ、給料の中身はなかなか面白いぞよ?

まず基本給じゃが、28 万円じゃ。階級は「警部補」だからして、一般の会社で言うなら主任といったところかのう。そのあとに続く手当が面白いのじゃ。通勤手当はまー普通じゃが、寒冷地手当、特地勤務手当、営外手当、魔術作業手当、潜入手当、危険作業手当という6つも変な手当があるのじゃ。
どれもいつも付いているわけではないぞよ?
寒冷地手当は汐碕市に於ける営外での任務遂行時につくのじゃ。営外というのは簡単に言えば野外のことじゃな。朝日奈やすらはいつもは光人に家におるわけじゃから、あまり付かぬが、徹夜の任務遂行などで付いたりするのじゃ。汐碕市では夏は除外されてしまうのが欠点じゃの。
特地勤務手当は戦争状態のような場所での任務遂行時につくのじゃ。基本給の 50% が付くのじゃ。
営外手当は野宿などをした場合に付く手当じゃな。汐碕市で野宿した場合は、寒冷地手当とセットになるわけじゃ。
魔術作業手当というのは魔に関わる手当じゃな。技術手当+危険手当のようなものじゃが、朝日奈やすらは自分の力で魔を使うことはできぬ。ので、魔を行使できる職員よりは安めじゃ。
潜入手当というのは危険手当の一つなのじゃが、いわゆる命に危険のあるような場所に長時間潜入する場合に付くのじゃ。犯罪組織の潜入とかそういう類のものじゃな。外国の調査機関に出向している扱い上、この手当がついているようじゃの。
最後の危険作業手当というのが、分類化されていない諸々の危険手当じゃな。ここは人事課の裁量で決まってしまうなんとも切ない部分じゃ。

というわけでこれらを合わせると朝日奈やすらは月どれくらいもらっているかというとじゃな、だいたい 48 万~ 55 万の間じゃ。警察官で言うなら警部くらいの収入じゃな。基本給は警部以下なのじゃが、手当がいろいろ付いてこの金額になっておるというわけじゃ。
学生にしてはもらっておるほうかもしれぬが、朝日奈やすらのやっていることは、他人から見たら犯罪行為じゃ。万一、世間の目に晒されれば大変なこととなろうのう。それを考えるとあまりにも安すぎる給料じゃ。それに天野家の大黒柱でもあるからのう、朝日奈やすらとしてはもうちょっと欲しいと思っておるのではないかな?

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